ホーム > 学園生活 > 維新伝心 ~校長室より~ > 平成30年度 校長談話その4

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 確か、昔、中曽根首相の時に出された「臨教審最終答申」の中に〝個性重視の原則〟と言うのが一番最初に掲げられている。さらに、量から質へ、画一・均等から多様性・選択の自由へが細目として示されている。僕はこれを見たとき、やっと来たなと心を躍らせた。でも、それ以後ずっと画一的教育が続き、偏差値教育が確固たる手段としてゆるぎなきものとなった。そんな中で、レールの上を走ることのできない子供たちは未来へ向かう活力を失い、中には自暴自棄に陥り刹那的生活に明け暮れるものも出てくる。

 僕も実はそうだった。団塊の世代の一番最後だった。競争して勝ち抜くことがよりよく生きることだった。僕は一つ合格した大学を蹴飛ばして京都で自分探しの放浪生活を始めた。思想にも武道にも文学にも首を突っ込んだ。でも、いくら一生懸命になっても一人芝居で終わってしまった。

 今も形は異なれ、同じような子供たちが沢山いるような気がしてならない。そんな子供たちのために昨年から個別指導学級をつくり〝個性重視の教育〟をはじめた。1年2名、2年2名、3年2名でスタートした。

 僕は国語を担当しているが、1年2年3年が混在するクラス2時間続きの授業の中で1人10分から20分は自学自習して作成したレポートをマンツーマンで指導している。この短い時間こそ教師と生徒との間に血が通うとても大切な黄金の時だ。

 肌の触れ合う間合いだからこそ、生徒のことや先生のことが理解できることが多々ある。この個性重視の教育を全体の教育に広げていくことを今、本気で考えている。〝師弟一体〟とまではゆかないまでも、教師と生徒との距離を縮めることが今後の教育の最重要課題のような気がする。